2006.04.08 Saturday
Visiting Tour@『プラド美術館展』
ということで、今回の鑑賞会でメンバーの中でも評判の良かったルカ・ジョルダーノの作品についてレポートします。
《Samso`n et leo`n》
「サムソンとライオン」
Luca Giordano(1634-1705)
c. 1695/1696
Oil on canvas
95x142cm
モチーフとなった「サムソン」は旧約聖書の士師記13章〜16章に登場する土師の一人。幼少から怪力で知られ、この素手でライオンを殺したという話も有名です。この作品では画面上の空間のほぼ全てがサムソンとライオンが描かれており、良く知られた主題に真に迫る迫力を与えているように感じます。サムソンの肩から背中に流れる赤い外套が、まるでスーパーマンのような印象ですこし笑えますね。
下はルーカス・クラーナハ(父)による同じ「サムソンとライオン」の図像。こちらのサムソンはきちんと服を着ており、ルカ・ジョルダーノのサムソにあるような力強さはなく、ルネサンス期とバロック期の差が良く見れて面白い。
《Samson Vanquishing the Lion》
Lucas Cranach the Elder(1472-1553)
c.1520-1525
Oil on panel
サムソンはその後、ペリシテ人の妻デリラの裏切りにより力の源の髪を切られ更に目まで潰されますが、最後には囚われていたガザの神殿の柱を崩して、ペリシテ人達と共に死を迎えます。このモチーフを扱った作品としては、こちらのレンブラントのものが有名でしょうか。
《The Blinding of Samson》
Rembrandt Harmenszoon van Rijn
1636
Oil on canvas
205x272cm
素晴らしい作品ばかりが揃った展覧会ですが、プラド美術館が所蔵する中のほんの一部のみということで、いつかマドリッドを自分で訪れてみたいです。
■前回のレポート:『プラド美術館展』@東京都美術館
ike先生、ブログのプロバイダ同士(livedoor-jugem)で相性があるのかもしれませんね。
こちらでTBの代わり(?)ということで。。。
【池上英洋の第弐研究室:プラド美術館展(東京都美術館)】
http://blog.livedoor.jp/ikedesu/archives/50523485.html